自宅でPCを使っている時に、ネットワーク(Wi-Fi/有線LAN)が一瞬切れることはありませんか。
OSに依存しない部分で、Windows, Mac, Linux(Ubuntu,CentOS ..)のどのOSでも発生します。
Wi-Fi/LANが切断する原因
ネットワークが切断する原因は多岐にわたり、なかなか解決できない問題です。
そもそも何を調査すべきかも分からないですね。
・Wi-Fiルータの問題
・LANカード、ドライバの問題
・VPNソフトや社内LANのネットワークの問題
・環境的な問題(Wi-Fiの電波干渉、電波強度など)
・その他 ★今回。これです。
実は1時間など一定時間で切れているが、自動で再接続されているのでなかなか気が付かない場合もあります。
オンライン会議などで、このタイミングに当たると30秒ほど音声が途切れるなどの現象が発生します。
光回線の契約時にレンタルされるホームゲートウェイのDHCPサーバの初期設定の問題です。
何のことか分からない方も多いと思いますので、対処方法も含め説明します。
(私もいろいろ調べて初めて知りました。)
YouTubeやNetflixなど動画配信サービスでは切れたことがなく、auひかりを5年間使っていましたが全く気が付きませんでした。
まず、ここを確認(DHCPリースの有効期限)
Windows の場合、
コマンドプロンプトから 「 ipconfig -all 」を実行してください。
実行結果の例です。
Wireless LAN adapter Wi-Fi 2:
DHCP 有効 . . . . . . . .. はい
IPv4 アドレス . . . . . .. 192.168.0.11
リース取得. . . . . . . . . 2021年3月14日 11:50:27
リースの有効期限. . . . . 2021年3月14日 12:50:27
DHCP サーバー . . . . . . 192.168.0.1
Macの場合のコマンドは、「ifconfig 」です。
ポイントは、IPアドレスの有効期限が1時間ということです。
この時間が来たらIPアドレスの更新が発生し、一瞬ネットワークが切れます。
有線LANでも無線(Wi-Fi)でも発生します。
ただし、自動で再接続など行われるので気が付かない場合も多いです。
原因は光回線のホームゲートウェイのDHCPサーバの設定
光回線のネットワーク構成は以下です。
ポイントは、ホームゲートウェイのIPアドレスを割り振る機能です。(DHCPサーバ機能)
ホームゲートウェイは、光回線契約時にレンタルされているものです。
auひかりの場合、NECのAterm BL900HW などです。下の写真の白いほうです。


有線LANでの接続でも同じようにIPアドレスが割り振られます。
Wi-Fi接続に限らず、有線LAN接続でも切れる現象は発生します。
(私が使っているWi-Fiルータは、BUFFALO WXR-5700AX7S です。)
DHCPで割り当てたIPアドレスにはリース期間がある
DHCPでは、DHCPサーバーが割り当てたIPアドレスを利用できる期間を設けています。
これをリース期間と呼び、使われていないIPアドレスを減らし、IPアドレスをより有効に使えるようになっています。
家庭で使う場合、IPアドレスが必要な機器の台数が、日によって増えるわけではないので、リース期間と最大利用数を気にすればいいですね。
最大数は、例えば割り当て範囲を「192.168.0.2~192.168.64」と設定した場合、63個のIPアドレスが割り当て可能になります。
NECの Aterm BL900HW では、割当数が64個になっています。
4人家族で使用した場合の例で試算してみると合計20個もあれば余裕ですね。
・スマホ4台、タブレット(iPad)2台、PC 3台、ゲーム機 2台、テレビ 1台
次にリース期間を確認します。
対応方法(DHCPサーバの設定変更)
DHCP(動的に割り振られるIPアドレス)の場合、リース期間を設定できます。
リース期間が長ければ問題ありませんが、リース期間が数時間の場合、1日使っていると問題が発生します。
マシンのシャットダウンすると時間はリセットされます。
(OSによっては、リース期間の延長をDHCPサーバに要求し、DHCPサーバが延長を行います)
1時間に設定されていれば、最悪1時間に一回切断が発生します。
この設定に関する情報は、Aterm BL900HWのマニュアルに記載はありません。
対応方法は、2つあります。
・リース期間を長くする。
・IPアドレスの動的割り当てをやめて、IPアドレスを固定にする。
ホームゲートウェイの機種によっては、リース期間を変更することができない機器があります。
その場合は、IPアドレスを固定にするしかありません。
IPアドレスを固定した場合、以下のように有効期限がほぼ無限(136年後)になります。
DHCP 有効 . . . . . . . . はい
IPv4 アドレス . . . . . . 192.168.0.11
リース取得. . . . . . . . 2021年3月14日 11:50:27
リースの有効期限. . . . 2157年4月20日 19:44:16
DHCP サーバー . . . . . 192.168.0.1
DHCPサーバの設定方法
私の回線は、auひかりの1Gbpsで、ホームゲートウェイは
NEC Aterm BL900HW (レンタル品)
このNEC Aterm系(Aterm BL900HW)を使っていると1時間が切れる現象が発生するようです。
ちなみに後継機の Aterm BL1000HW のリース期限は1日(24時間)になっていました。
auひかりを5ギガのプランに変更した際に、HGW(ホームゲートウェイ)の機器が NECのAterm BL1000HWに変更になったので調べました。
IPv4 アドレス . . . . . . 192.168.0.21(優先)
リース取得. . . . . . . . 2021年10月12日 12:29:55
リースの有効期限. . . . 2021年10月13日 12:29:54
DHCP サーバー . . . . . 192.168.0.1
Aterm BL900HWの仕様の問題なので、きちんと情報発信して欲しい。
NTT系の光回線のホームゲートウェイは、リース期限がデフォルト24時間に設定されている場合が多く、問題が発生しないようです。
ブラウザで、http://192.168.0.1/ に接続して、設定するタイプのものでした。
ただし、Aterm BL900HW では、リース期間を長くすることができませんでした。
(そもそもリース期間がどうなっているか確認できません。改善して欲しい)
設定方法は、機器によって異なるのでマニュアルを確認ください。
Atermでの設定画面は、以下のような感じです。
「LAN側設定」で設定確認
「詳細設定」-「LAN側設定」で設定確認します。
DHCPサーバ機能を使っていることが分かります。
割当数は、64個。

「DHCP固定割当設定」でIPを固定にする
・「詳細設定」-「DHCP固定割当設定」で、IPを固定にします。
機器のMACアドレスごとにIPアドレスを固定で割り当てます。
MACアドレスはネットワーク機器に一意に割り当てられる番号です。
192.168.0.1/24の範囲で64個のアドレス割り当て可能なので、192.168.0.1 ,192.168.0.2 以外(192.168.0.3~192.168.0.64の範囲)を適当に設定していきます。
Macアドレスは、Windowsでは「ipconfig -all」で表示される「物理アドレス」の部分です。
(例)物理アドレス. . . . .: 99-48-27-CA-9F-33
iPad/iPhoneなどは、「Wi-Fiアドレス」と表現されています。

家族全員のパソコンと、Amazon Fire TV Stick など固定にしました。
スマホは切れたことがないので設定していません。
Windowsの設定の問題の場合もあり
DHCPと関係はありませんが、Windowsの設定で接続が切れることがあるようです。
ネットワークカード(NIC)の省電力設定が有効な場合、Wi-Fi接続が不安定となることがあります。
ネットワークカードの「電源の管理」の省電力オプションを無効にすることで改善するケースがあります。
2.「アダプターのオプションを変更する」を選択。

6.「電源の管理」タブを開き、「電源の節約のために・・・」という項目のチェックボックスを外し、[OK]ボタンを押す。
auユーザ向けお得情報
auひかりのユーザは5ギガに変更
この現象が発生するのは、1ギガの古いauひかりを使っているケースなので、機器の老朽化を考えると5ギガに変更する方法もありますね。
料金は同じです。
ホームゲートウェイが変更され、変更後の Aterm BL1000HW のリース期限は1日(24時間)になっています。

auユーザのスマホ回線をUQmobileに変更
auひかりユーザであれば、スマホはau(KDDI)の場合が多いと思います。
auからUQmobile(UQモバイル)に乗り換えると、月々のスマホの通信料が安くなります。
auひかりを使っていると自宅セット割で更に安くなります。
2023年6月のプランの改定があるようです。(改悪?)
auからUQモバイルの乗り換えについては以下の記事を参照ください。

auを使うのは無駄ですね。UQモバイルは、auの回線を使っているため回線品質はauと同じで、価格が安い。
3GB/月のデータ通信で自宅セット適用で990円。
auでは、別料金だったテザリングもUQmobileでは無料で使えます。
最後に(Wi-Fiルータも確認してね)
このDHCPのリース期間の変更で、在宅勤務のオンライン会議で音声が途切れることがなくなり快適になりました。
リースの有効期限を確認してみてください。ネットワークが一瞬切れる問題が解決するかもしれません。
DHCPの問題でない場合、Wi-Fiルータの問題の場合もあるので、古いWi-Fiルータの買い替えを検討してもいいですね。
私が使っているWi-Fiルータは以下です。約2年使った使用感をレビューしています。
通信速度も速く、安定していてオススメです。

他のバッファローのWi-Fiルータについては以下をご覧ください。
4、5年使っているのであれば、壊れてもおかしくないタイミングなので、セキュリティ面と速度面でも買い替えを検討する価値はありますよ。

買い替えの前後の比較については以下の記事にまとめました。
