仕事術

教育や訓練をしても仕事ができないのはなぜ?原因は読解力のなさ

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社会人で、OJT(On the Job Training)などで教育や訓練をしても仕事ができないままの人が一定数存在します。

少しできないぐらいなら個人の能力の差だと思いますが、全く進歩がない人がいます。

私の部署には、2、3年おきぐらいに新人が配属されますが、30年ぐらいの勤務経験の中で3人ぐらい超ひどい新人に出会っています。

その経験を踏まえて、私が気づいたことを紹介します。

3人目でやっと本質的な原因がわかったような気がします 。

原因は読解力(理解力)のレベルが超低いことで発生します。

中堅大学以上の修士課程卒業生でも、このパターンの新入社員がいるので学歴で落とすことが難しく入社してきます。

仕事ができない人の特徴

仕事ができない人には以下の特徴があります。

a)教えられたことをすぐ忘れる

b)見当違いの方向に勝手に進めて作業が終わらない

c)自分で考えられない

これらは一見それぞれに原因があるように思われますが、実は一つの原因で繋がっています。

理解できないので、忘れるのではなく、初めから理解してしていない → (a)

(部分的に漏れるの同じ)

理解してないので、見当違いの方向に進む  → (b)

理解できないので、考えられない  →(c)

「理解すること」と「考えること」は近い能力

ちなみに「理解すること」と「考えること」は近い能力だと思われます。

「理解すること」は文章を読みながら、または人の話を聞きながら、内容を頭の中で整理し考え、分からないところを考えたりして「考えること」をやっています。

本人は、少しは考えようとしているようですが、作業指示後などに「何を考えた?」と質問してみると、考えた内容が非常に浅くて薄いことが分かります。

その場での質問はほぼありません。

会話でも同じことが発生する

これは、文章のときだけの問題ではありません。会話でも同じことが発生します。

会話だと後戻りができないので、より一層酷い状態になります。

・簡単な指示も理解できない

・キーワード読みで、見当違いの方向に進む

・キーワード読みで理解したつもりになっているので、その場では質問もしない。

*キーワード読みについては後述。

あとから、「これなんでしたっけ?」と主要ポイントにところを質問してきます。
「えっ、最初のそこから」ということがよくあります。

読解力(理解力)がない社会人が存在する

では、なぜこういう能力を持ってない新入社員が入ってくるのでしょうか?

中堅大学以上の修士課程卒業生でも、このパターンの新入社員がいるので学歴フィルターで落とすことが難しい。

これは我々開発部門では、理系出身が配属されてきて、理系的な=論理的な考え方があるレベル以上はあるので、OJTなどで業務を行ないながら教育すれば通常ははそれで成長していきます。

しかし この読解力(理解力)がない人は、本当の学力は身についていないです。

極端な話、本当の学力がなくても、問題と解答のパターンを覚えることができれば大学に合格できる。
さすがにトップの大学は無理ですが。

就職活動の面接などで、ちょっとした作業をやらせると一発でおかしい事が分かるはずだが、短期間なので極端におかしな傾向がない限り、違和感ぐらいでパス(合格)してしまう。

1週間ぐらいのインターンシップなどでフルイにかけて欲しい。

私は、配属された若手の実力を見るために簡単な作業から始めて、段々レベルをあげて作業をさせることが多いこともあり、1週間もやらせてみると、「この新人はおかしい、伸びないだろうな」ということが分かりますね。

仕事ができない人の特徴はすぐにわかります。

ほとんどケースで予想をいいほうに裏切ってはくれません。

キーワード読みが原因

では、なぜこういう人が生み出されるのか。

原因の一つが「キーワード読み」だと思われます。

キーワード読みとは

文章にない助詞や接続詞を勝手に足したり省いたりすることで文脈が変わって解釈している。

・Aさんに → Aさんが
・Aさんが → Aさんに

「Aさんが言った」と「Aさんに言った」は全然意味が変わりますよね。

ここまで、ひどくはないですが、少し文章が込み入ってくると解釈がずれていきます。

「自己流で部分的に読み、勝手に判断している」

書いてある文章をそのままに読まずに勝手に脳内で書きかえて、それに加えて登場するキーワードから独自の妄想を展開する 。

教え方が悪いのかと悩んだこともありましたが、
これは話し手がいくら努力して伝えても話が通じるわけがないです。

キーワード読みしている人は、以下のような傾向があります。

話の要点や議論の総意をまとめることができない。

「ポイントをまとめて連絡して」と指示すると、大量に意味不明な一覧が提出される。

文章を読めない人は「具体」に引っ張られる

抽象(主題、要点)<–> 具体(例え話や単語 )

例え話をすると、その例え話のことしか考えなくなる。

「抽象」ではなく「具体」でしか話を捉えることができない。

逆に抽象的な話をすると、要点をつかむことが苦手なので理解できない。

教育の限界

「教育は万人に聞く万能薬ではなく、教育すれば伸びる人にしか効かない。」

私も以前は教育すればどうにかなると思っていましたが、教育しても全く進歩がなく、ずーと仕事ができない人が3人も現れたので悟りました。

本をいくら読んでも無駄

この状態では、いくら本を読んでも無駄です。

薄い読解力では、薄いインプットしかできないので、読解力は改善しません。

小学生の読書感想文をみたいなアウトプットが必要です。

・読んだ本を要約する
・読んだ本の要点を人に話す

などのアウトプットがないと自分がどの程度理解できているかが分かりません。

YouTubeやブログなど多くの書籍のまとめがあるので、それらと比較するのもいいでしょう。

まとめ

LINEなどSNSの短文の文化の影響かは分かりませんが、こういう人がいる職場は辛いですね。

本人も辛いですが、まわりもその人が考えていることが理解できないので苦しいです。

理解力がない人の特徴を別の記事で紹介しています。

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