職場に何度注意されても同じミスを繰り返す人がいませんか。
新人や若手で経験することがあると思いますが、40代などのベテランにも存在します。
カンがいいとか、飲み込みが早いなどと言われる人と真逆の人です。
新人や若手で以下のようなことはありませんか?
成果のゴールを100点満点で定義した場合、以下のような感じです。
a)資料作成などで、本人が最初に書いた20点の資料を指導しながら80点に引き上げてもすぐに元の20点に戻る。
b)作業で細かく指導してできるようになっても、しばらくすると同じ作業でも20点から始まる。
c)少しだけ違うことをやらせると20点から始まる。
原因は以下が考えられます。
・なぜ80点にできたか理解できていない。(その時は何となく分かった気になる)
・少し違う作業を同じものだと認識できない。
だから、20点に戻るし、20点なのでミスを繰り返す。
流れを細かく刻んだステップとしてイメージできていないと、新しいことをやらせると周囲は同じものと思うが、本人には違うものとしてイメージし20点から始まります。
抽象度を上げて考える
頭のいい人は、よく抽象度を上げて考えることができると聞いたことありませんか。
以下は分かりやすくするために極端な例で紹介します。
リンゴの皮を剥く、梨の皮を剥く。= 丸い固い果物
→丸い固い果物の皮はナイフで剥く。
みかんの皮をむく
→ 丸いけど固くないので、みかんの皮はナイフで剥かない。
できない人は、「リンゴの皮はナイフで剥くこと」を教わっても、その部分的な事象しか理解しないので、未知の丸くて固い果物を見てもナイフで剥いていいものか、丸くて固くないものをどうしていいか判断できません。
そんなことはないよ。と思われるかもしれませんが、これと同じことが起きます。
カンがいい若手なら、このイメージを少ない訓練回数で理解し、回数(経験)をこなしてドンドン伸びていきます。
この抽象化力を若いころに訓練して鍛えておかないと40代になっても、この能力を獲得できていない社会人がいます。そういう人は、ほぼ使えない社会人になります。
一般的に物覚えが悪い、応用が利かない、と言われる人たちです。
私が所属するソフトウェアの開発部門では致命的です。
いろいろな技術が出てきて、作業内容も幅広いので、この能力が低い人は何をやらせてもダメなので使いものになりません。作業レベルが低いことしか頼めません。
理系の大学で修士卒であれば、一般にはこういう考え方の素養があるので、企業は積極的に大卒理系を採用していますが、稀に素養がない新人が入社してきます。
何が足りない?
抽象度を上げると言われても、具体的には何の能力が不足しているのか?
鍛えてこなかった?
・イメージ化力、抽象化力(具体と抽象)
・自分で考える力がない。
こうなった原因はいろいろあると思いますが、全く考えてこなかったからか、受験も大学の研究も言われたことをやるだけだったからか。(原因は分かりませんね。原因が分かっても意味はないです。)
具体的な訓練方法
今まで考えてこなかった、もしくは浅くしか考えてこなかったので、考えさせる訓練が必要です。
日記(記録)をつける。(同時に言語化力(説明能力)を鍛える)
人に見せなくてよいです。
ミスが多い人は、自分がやったことや考えたことをうまく説明できません。
■3つのポイント
(1)どんなミスをしたか、ミスを指摘された状況も書く
(2)どうしてミスをしたのか。自分なりの考えを書く
(3)こうするぞ、と前向きな意見と気持ちを書く。前向きな気持ちで終える。
最後に(それでもダメな人はいる)
現実的にはこれを指導できるのは新人のころだけです。
新人の教育期間(2,3年)以降に、こういう指摘を行うことは、やりづらいですよ。
ある程度、自分のやり方ができているし、新人みたいなことを指摘されるのは嫌だろうし。
こうなってしまった30代、40代には言いにくいし、素直に聞かないだろうし。。。
今どきは、強く言うとパワハラと言われるし。
教える側のストレスが強すぎて、「逆パワハラ」に近いですね。
今回、紹介した方法で改善すると思いますが、それでもダメな新入社員は存在します。
過去に資格などのペーパーテストはすぐ合格するけど、簡単な作業系の仕事ができない新入社員がいました。
受験や資格は特定のパターンを覚えるだけなので、ペーパーテストは得意。自分で流れや手順などは考えなくてもいいですからね。
3年間ぐらいの教育カリキュラムなどで訓練しましたが、身につかずにダメでした。最終的には開発部門以外に異動になりました。
正直、採用時に選別して欲しい。明らかに質問に対する受け答えが変だった。
入社して来た本人も適性がないのに入ってきて、何もできずに不幸です。